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キャリアップ助成金
②賃金規定等改定コース

キャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成

■キャリアップ助成金とは
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度
です。

人材の中で非正規雇用者が雇用先でキャリアアップを図っていけるようにする制度が「キャリアアップ助成金」です。

当該従業員にとってキャリアアップの機会となると同時に、企業にとっても助成金で人材を確保・育成できるという点でメリットがあります。

■キャリアップ助成金の中身は
7つのコースに分かれており、それぞれ適用要件や内容が異なります。

■キャリアップ助成金

  1. 正社員化コース
  2. 賃金規定等改定コース
  3. 健康診断制度コース
  4. 賃金規定等共通化コース
  5. 諸手当制度共通化コース
  6. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  7. 短時間労働者労働時間延長コース   

このページでは2.『賃金規定等改定コース』を説明しております。

■この助成金の解説
すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給した場合に助成するものです。

賃金規定等は改定ではなく、新たに作成した場合でもその内容が過去3か月の賃金実態からみて2%以上増額していれば、助成対象になります。

このコースの受給額は条件によって異なり分かりにくいところですので、詳しくみていきたいと思います。

ポイントとなるのは次の2つです。

(1) 賃金規定等を改定して、誰の賃金を何%増額したか
(2) 職務評価を実施した場合は、その結果をふまえて賃金規定等を改定しているか

■支給額

出典:キャリアアップ助成金のご案内P.30
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf

※< >は生産性の向上が認められる場合の額、( )内は大企業の額

※助成金の上限は564万円。

※申請は1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は100人まで、申請回数は1年度1回のみ

(すべての有期契約労働者等100名の賃金を3%以上増額し、職務評価の結果を賃金規定等に反映。中小企業で生産性の向上が認められる場合で算出。)

※ 中小企業において3%以上増額改定した場合に助成額を加算

・すべての賃金規定等改定:1人当たり14,250円<18,000円>

・一部の賃金規定等改定 :1人当たり7,600円<9,600円>

※ 上記において、職務評価を実施し、その結果を踏まえて賃金規定等を増額改定した場合に助成額を加算

1事業所当たり19万円<24万円>(14万2,500円<18万円>)<1事業所当たり1回のみ>

出典:キャリアアップ助成金のご案内P.30
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf

(1) 賃金規定等を改定して、誰の賃金を何%増額したか

すべての有期契約労働者等を対象に賃金を2%以上増額した場合、対象労働者が1~3人の事業所は、1事業所あたり12万円(中小企業で生産性の向上が認められる場合)が支給されます。または、雇用形態や職種別などの理由で対象者を限定し、一部の有期契約労働者等を対象に賃金を2%以上増額した場合、対象労働者が1~3人の事業所は、1事業所あたり6万円(中小企業で生産性の向上が認められる場合)の支給となります。つまりすべての有期契約労働者等を対象に賃金を増額した場合は、対象者を限定した時の2倍の金額が支給されるということがわかります。

さらに、増額の割合が3%以上の場合は、中小企業の場合に限りますが、1人当たりの助成額が加算されます。生産性の向上が認められ、対象者がすべての有期契約労働者等の場合、1人当たり18,000円が加算して助成されます。増額対象者を限定した時は1人あたり9,600円加算となっています。

(2) 職務評価を実施した場合は、その結果をふまえて賃金規定等を改定しているか

賃金規定等とは、賃金規定や労働協約または就業規則において賃金等の定めがあるもののことを指します。

出典:キャリアアップ助成金のご案内P.33
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf

これらの金額を2%以上増額して、改定を行うのですが、「職務評価」※を実施し、その結果を賃金規定等の改定に反映させると1事業所あたり24万円(生産性の向上が認められる場合)が加算して助成されます。

しかし加算を受けようとする場合は、職務評価の結果に基づいて賃金規定等の改定をする必要があり、格付けした等級ごとに賃金を規定しただけでは、職務評価の結果がどの級に該当するか示されていないため、相関関係がないと判断されてしまいます。

職務評価の結果と格付け、改定後の賃金を並べて記載するなど、賃金規定等の改定に職務評価の結果が反映されていることが分かるようにしてください。以下は相関関係が示されている例です。

<相関関係が示されている例>
要素別点数法

出典:キャリアアップ助成金のご案内P.36
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf

※「職務評価とは」
職務の大きさ(職務内容、責任の程度)を相対的に比較し、その職務に従事する労働者の待遇が職務の大きさに応じたものになっているかを把握するもので、個々の仕事の取り組みや能力を評価(人事評価や能力評価)するものとは異なります。
参考「職務評価を使って処遇改善を行うと助成金がさらにアップします

■対象となる労働者

6種に該当する方を対象となります。

  1. 労働協約または就業規則に定めるところにより、その雇用するすべてまたは一部の有期契約労働者等に適用される賃金に関する規定または賃金テーブルを増額改定した日の前日から起算して3か月以上前の日から増額改定後6か月以上の期間継続して、支給対象事業主に雇用されている有期契約労働者等であること。
  2. 増額改定した賃金規定等を適用され、かつ、増額改定前の基本給に比べて2%以上昇給している者(中小企業において3%以上増額改定し、助成額の加算の適用を受ける場合にあっては、3%以上昇給している者)であること。
  3. 賃金規定等を増額改定した日の前日から起算して3か月前の日から支給申請日までの間に、合理的な理由なく基本給や定額で支給されている諸手当を減額されていない者であること。
  4. 賃金規定等を増額改定した日以降の6か月間、当該対象適用事業所において、雇用保険被保険者であること。
  5. 賃金規定等の増額改定を行った事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外の者であること。
  6. 支給申請日において離職していない者であること。

出典:キャリアアップ助成金のご案内P.30~31
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf

■対象となる事業主
キャリアアップ助成金の①全コース共通要件と、2該当コースの要件の2種類があります。

①キャリアアップ助成金(全コース共通)事業主要件は5つあります。
(1) 雇用保険適用事業所の事業主であること

(2) 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者※1を置いている事業主であること

(3) 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、キャリアアップ計画※2を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主であること

(4) 該当するコースの措置に係る対象労働者に対する賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備している事業主であること

(5) キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること

※1 キャリアアップ管理者とは
有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識および経験を有していると認められる者のことです。

※2 キャリアアップ計画とは
有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、目標達成のために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記載するものです。

出典:キャリアアップ助成金のご案内P.4
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf
 

②「賃金規定等改定コース」における事業主要件は8種あります。

 

(1) 有期契約労働者等に適用される賃金規定等を作成している事業主であること。

(2) すべてまたは一部の賃金規定等を2%以上増額改定(新たに賃金規定等を整備し、当該賃金規定等に属するすべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給を、整備前に比べ2%以上増額する場合を含む。)し、当該すべてまたは一部の賃金規定等に属する有期契約労働者等に適用し昇給させた事業主であること。

(3) 増額改定前の賃金規定等を、3か月以上運用していた事業主であること(新たに賃金規定等を整備する場合は、整備前の3か月分の有期契約労働者等の賃金支払状況が確認できる事業主であること。)。

(4) 増額改定後の賃金規定等を、6か月以上運用し、かつ、定額で支給されている諸手当を減額していない事業主であること。

(5) 支給申請日において当該賃金規定等を継続して運用している事業主であること。

(6) 中小企業において3%以上増額改定し、助成額の加算の適用を受ける場合にあっては、平成28年8月24日以降、当該すべてまたは一部の賃金規定等を3%以上増額改定(新たに賃金規定等を整備し、当該賃金規定等に属するすべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給を、整備前に比べ3%以上増額する場合を含む。)し、当該賃金規定等に属するすべてまたは一部の有期契約労働者等に適用し昇給させた中小企業事業主であること。

(7) 職務評価を経て賃金規定等改定を行う場合にあっては、雇用するすべてまたは一部の有期契約労働者等を対象に職務評価を実施した事業主であること。
※ 職務評価の手法については、「単純比較法」、「分類法」、「要素比較法」、「要素別点数法」のいずれかの手法を用いても構いません。ただし、「単純比較法」または「分類法」による「職務評価」の手法を使う場合、職務分析(仕事を「職務内容」や「責任の程度」等に基づいて整理し、職務説明書に整理すること)を行うことが必要です。

(8) 生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合にあっては、当該生産性要件を満たした事業主であること。

 

出典:キャリアアップ助成金のご案内P.31
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000527143.pdf

まとめ

キャリアアップ助成金の「賃金規定等改定コース」は、
①有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定した場合、助成されるものです。
②改定ではなく新たに作成した場合も対象になり、対象労働者が1人でも申請可能です。

労働者の処遇改善に取り組み、労働者のモチベーションアップにつながり易い内容です。

複雑な内容ではない、助成金の種類といえるため、比較的に

賃金の引き上げをお考えの方は活用をおすすめいたします。

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